折り紙、あれこれ
折り紙というのは楽しい。
ただ、説明の通りに折るだけなんだけど、何度同じ物を折っても楽しい。
それって遊びとしてはすごいことだ。
まず、「折る」という感覚が美しい。
何か折り込むというのは、魂を込めるような感覚がある。
なんの変哲のない平面に、一つ一つ丁寧に折っていくことで、何か魂を宿らせるような、そんなような儀式にも思える。
また、「折る」という行為は、一種覚悟が必要となる。
一度「折る」と、そこには折り目ができる。
この折り目を付ければ、その折り目を消すことはできない。
ある意味均一に保たれた平面を壊してしまう行為。
そんな後戻りのできない、緊張の一瞬でもある。
また、「折る」はそれだけだと簡単であるが、綺麗に折るとなると繊細さが必要になる。
雑に折れば、完成形の折り紙は見事に崩れ、もうゴミ箱にぶち込みたくなってしまう。
逆に本当に綺麗に折られた折り紙は、もはや紙できているとは思えないほど立派な立ち姿を見せ、宝石並の存在感を放つ。
過程と結果がしっかり結びついていて、それがシンプルな動作によって体現できるから、わかりやすい。
そしてそれが「紙一枚と手」さえあればできるのだからすごいもんだ。
とてもお手軽でありながら、基本的かつ、バランスの取れたクリエイティブを楽しむことができる。
また、折り紙を折る時は、瞑想に近い気がする。
瞑想したことないですけど。
ちょうどいい集中、力んでもいけないし、ダラダラしてもいけない。
なにも考えていないような、でもやっぱりなにか意識しているような。
ちょうどいい状態で嗜むことができる。
散歩しているような感覚か。
わかりやすい何かしらの目的を持ちつつ、それに合わせてシンプルな身体の動きを共鳴させるようにこなすという、一種縛られたような状況が、逆に落ち着くというか、むしろ自由に感じる。
折り紙というのは、なかなかに不思議な遊びだ。