相手と共通項を持てる嬉しさ
たしか、入りたて高校1年生の時の話だと思います。
新学期、新しく共にしていく仲間たちということで自己紹介をさせられるわけです。
そのころの私は、自己紹介の時に必ず自分の好きなゲームを話していました。
よくわからない、こだわりでした。
なかなかに、たくましい。
それで、一通り自己紹介を終えて、今度は学校探索というか、施設紹介みたいな時間になって、皆で図書室にいきました。
そこで、軽い自由時間があって、私は特に本も読まずふら〜っとしていたのですが、するといきなりゴッツイ体格の男の子に話しかけられたのです。
その子はバリバリの運動系で、バリバリのハンドボール部でした。
そういう系の人とはあまり交流したこともなく、ましてや急に向こうから喋りかけてきたものだから、とにかくビビリちらかしました。
すると彼は一言、「おまえ、ピクミン好きなのか?」と。
彼は、私が自己紹介で話したゲームのことが好きだったのです。
その瞬間に、初対面で彼のことを何にも知らないというのに、完全にわかり合えたような気がしました。
さっきまでビビっていたのが嘘のように、まるで幼馴染だったかのようにフランクに彼とゲームの話で盛り上がりました。
ゴッツイ彼が、ピクミンという可愛らしいゲームが好きなのも、ギャップ萌えというか、むしろガチなんだなと、本当にこのゲームが好きだという信用があります。
そんな彼とは、その後一緒に遊ぶとか、そこまでの深い仲にはなりませんでしたが、それでもお互い認め合っているような、共に戦った戦友みたいな意識はありました。
自己紹介で好きなゲームについて毎回言い続けて、唯一よかったなと思う出来事です。
「同じものが好き」だったり、「同じことをしたことがある」というのがあったり、そういう「共通項」があると、相手のことをひとつ確実に理解できる部分ができるので、とても関わりやすくなります。
逆にそういう部分がないと、例え同じ日本語を使っていたとしても、どうもまじり合えないなんてことも。
趣味によってはなかなか共通項にならないこともありますが、でも自分の好きに嘘をついてしまって無理やり共通項にしても、なかなか共鳴はできないものです。
そういう打算的なのは置いておいて、いろいろやってみて、夢中になってしまって、好きになるというのは、結果的に自分を形作り、外の交流に繋がるんだろうなぁ。