寝坊の快感
変な話ですが、寝坊した時の感覚というのは最悪であるが、それと同時に実は快感的でもあるように思うのですが、どうでしょうか。
夢のなのか現実なのかの狭間で、「あれ?今何時だっけ」と何気なくその言葉が脳裏を通り過ぎ、その瞬間、あんなに寝起きが悪い私が一気に覚醒する。
瞬間的に時計に目を向けると同時に、走馬灯のように先のことを予想する。
どすれば間に合うか、間に合わなかったらどうするか、言い訳はできるのか、いっそのこと逃げるのか。
脳が電気信号で動いているのを自覚してしまうくらい、電気がバチバチ走るように思考のやりとりが行われている気がする。
そして時刻を確認し、アラームが鳴る1時間前だったりすると、こ一気にいつもの自分に戻り、安堵と同時に謎の幸福感が身体から溢れ出す。
私は寝つきも悪いし、寝起きも毎朝地獄から這い上がるかのように悪い。
這い上がりながら、ダラーっとこの後のことイメージし、「だるいなぁ」とそのまま腕の力を抜き、布団に沈没したくなる。
それなのに、むしろ遅刻が確定するとなんか「あーあ」ってなって、なんかどうでもよくなる。
そうなると、なんでか知らないがむしろいつもより気分が楽になる時がある。
なんでしょう、遅刻するともうこちらの選択肢がなくなるというか、「なにがやりたいか」ではなく「なにをしなければいけないか」「なにを捨てないといけないか」という思考パターンになる感じだろうか。
それがある意味良い脱力感があるのかもしれない。
寝坊に限らず、なにかしらの失敗ごとって、最悪の気分であると同時に、ちょっと盛り上がってしまう自分がいる時がある。
「うわーどうしよう、どうなっちゃうんだろう」
そう思いつつ、今まで全く想定していなかった道筋に興奮するというか、ワクワクするような。
もちろん、そうならない失敗もあるんだけど、その違いってなんでしょうかね?
まあ、とは言いつつ普通に失敗しないように生きているわけですが、失敗も案外悪くないぞと思っていれば、もう少し気楽に楽しく過ごせるのかもしれませんね。