コップで考える数字
数字というのは面白いものです。
数字と聞くとどうも冷たく感じたり、難しく見えたりしますが、漠然とした風景を見るより、目の前にコロッと数字がある方が人は扱いやすく、その数字を使ってキャッキャと盛り上がることができるものです。
例えば、目の前に水があります。
目の前に水があれば「水だなぁ」とくらいしか思えないものです。
しかし、そこにコップを用意してみます。
そのコップで目の前の水をすくってみます。
そうすると目の前の漠然とした水が「コップ27杯」と表現できるようになります。
そのことを友人に話してみると、友人の近くにあった水は「コップ32杯」だったそうです。
なるほど、自分の水より「5杯」多かったのか。
そんなことを考えていたら、目の前に砂が現れました。
「あの砂は一体コップ何杯なんだろう」
そうして、コップで砂をすくい始めます。
数字というのはコップみたいなもので、あらゆるものをコップですくってみることで漠然としたものが数字で表せるようになり、全く別のもの同士を繋げられるようになったり、逆に同じものでも別のものとして表現できるようになります。
そういうふうに考えてみると、数字というのものがとてもワクワクするような、可能性のある魅力的なものに感じます。
また、この「コップ」というもの自体をデザインするというのが、一種遊びのデザインとも言えるようにも思います。
実際、言葉というのも数字とは違った別のコップを使って世の中をすくったものと言えますし、そういう意味では文系も理系も根本的には一緒なんでしょうね。