並べてみる
「並べる」というのは面白いものです。
どんなものでも、並べることで、その並べている同士でおのずと関係性が生まれます。
関係性が生まれることで「比べる」ということができるようになり、それ単体では知りえなかった膨大な情報を得ることができます。
この時の並べ方というのは、並べたものたちとその関係性を大きく変えうる重要なポイントです。
例えば、日本の硬貨を並べるとして、それを無作為に放り出したように置いても「並べた」とはなりません。
例えば、一円玉、五円玉、十円玉、百円玉、五百円玉をそれぞれ一辺に円周に接するように置きます。
そうして、まじまじと使い慣れた硬貨たちを見比べてみると、大きさの差というのがまじまじと現れてきて、なんとなく把握していたものがはっきりと捉えることができたりします。
縦に並べるのか、横に並べるのか、何個並べるのか。
並べ方次第で並べたものたちの関係性は大きく変わってきます。
並べられているものの魔力は凄いものです。
それは時には意図的にも感じ取れるし、並べられているものたちの周りのものを「それ以外」と境を作り、並べられたものたちだけの、その場だけの世界観を築いてしまいます。
今こうして打ち込んでいる文字も、並べられているからこそ、何か意味のある文章になっているわけです。
並べるとは構成の基本で、なおかつ人の思考の基本でもあるようにも思う。
自分の身の回りのもの、もっと並べていってもいいのかもしれません。